2005年11月25日

夜市



恒川 光太郎 著


第12回日本ホラー小説大賞を受賞したこの作品。そしてこの著者のデビュー作でもある。処女作ではないと思う。実家だと暇で本を読む時間が増えがちだ。

これは短編で2時間あれば余裕で読みきれる。

帯に書いてあるさわりを軽く書くと、

「夜市」では望むものが何でも手に入る。裕司は小学生のころに夜市に迷い込み、野球の才能を買った。その代償に弟を人攫いに売った。そのおかげで甲子園にもいった裕司だがその罪悪感はずっと胸の奥にあり時は過ぎる。あるとき高校の頃の同級生のいずみともう一度夜市に行き弟を買い戻そうとする。

読み終えてみると本当に短編だったなと気づく。その意味は短い文章で想像できるイメージの量が多いってこと。なるほど少ない言葉で想像力をかきたてる。

そして後半のくだりは読んでいけば先が読めるが、創り出せるかといえばなかなか出てこないかも。荒俣氏率いる選考委員が語るに「発想の逆転」が秀逸なのだそうだ。

おれが一番すごいと思ったのはホラーの枠には収まらないと思ったこと。ってかこれはホラーじゃねぇ!ちょっぴり怖い描写はあるがそれよりも重要なのはストーリーのイレギュラーバウンドだ。あれよあれよとファンタジーのように展開するのがうまいと思った。あとすっきり読める量がいい。夜読み始めて読み終えても空は明け方にはなってない。そのおかげでこの文も寝る前に書ける。

……ところでこのホラー小説大賞ってのはよく知らなかったが今回が12回目とまだ若い。今までの受賞作には「パラサイトイブ」や「黒い家」がある。
しかし大賞や佳作でさえ「該当作なし」となってる年が多い。マイナーなのか、厳しいのかはよくわからん。

選考委員の文を見る限り今年の短編賞を受賞した、あせごのまん著の「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」が面白そう。主にタイトルが。

作家の卵の方たちの作品だから長編はちと手が出しにくい。ごめんよ。

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2005年12月07日

回想のビュイック8

 

著 スティーブン・キング

この下の記事を読んでみてこれを読んでみようって人はおそらくいないだろうからネタばれもしてしまえ。この著者の作品の忠実な愛読家ではなく、スティーブン・キングを初めて読んでみようと思うならばこれはあんまり勧めない。おれが(ほぼ)それでボチボチだったからだ。
出会いは、「幸運の25セント硬貨」のような短編集(これは押せる)や、いっそのこと「グリーンマイル」や「ドリームキャッチャー」で果たすべきなんだろう。

おれは「刑務所のリタ・ヘイワース」を読まねば。ストライクじゃないはずがない。

見てのとおり上下2巻の長編だが、(正直な話)上巻の後半から下巻の中盤くらいまでの間があまりに長すぎるしずっと回想だし、ストーリー自体はあまり進まないし、似たことといえば似たことばかりが何度もおきる感じでうっとおしかった。上巻でもうやめようかとも思ったけど、下巻は生協で3冊買えば15%オフのキャンペーンに救われた格好だ。


ビュイック8ってのは見た目、車だ。しかしこのビュイック8は車の形をしているだけでいったい何なのかはさっぱりわからない。トランクから悪夢のような禍々しいものを急に出したり人を飲み込んだりする。その車のまわりの人々の話なわけだ。

ビュイックを例えるならば、寒い日に外から帰ってきて、すぐに風呂に入ろうと思って服を脱いで風呂へ、風呂のフタを開けて湯をすくってささっと体にかけてそのまま浴槽に浸かる。
「あぁぁぁ〜」と唸りながら天井を眺めてみると、、、天井に馬鹿でかい蜘蛛がいた。長い足とあわせて7センチくらいの。一瞬、蛇口に頭をぶつけそうになるほどびっくりする。
あわてつつも毒はないだろうからこちらが何もしなければ何もなかろう。やつはみなかったことにして風呂を満喫しよう。……しかし奴が気になる!  その蜘蛛こそビュイック8だ。

スティーブン・キングの作品をグロいホラーとグロくないヒューマンに分けるならこれはぎりぎり後者だろう。ギリギリだ。帯には「ぐちゃぐちゃホラーが好きじゃない人はこれを読め!」みたいなことが書いてあるけど頭の中でパプワ君に出てくる丹野くんを想像できれば、どう転んでもぐちゃぐちゃだ。胸くそ悪くなるシーンもある。
ストーリー的に「お前の心打つものだったか?」と言われればおれは打たれなかった。・・・長編を読んで心打たないことほど虚しいことはない。

ただやはり超売れっ子たるゆえんは嗅ぎ取れた。ストーリーで心打たれなくてもおれはプロットで打たれた。構成と演出がうまい。「物語」という言葉で、ストーリーが「もの」ならばプロットは「かたり」だ。  

この作品のほとんどが回想シーンだ。そしてその語り手は著者ではなくキャラクターだ。それはよくあることだが、その語り手となるキャラクターが入れ代わり立ち代わりする。しかし最重要人物が語り手にはならない。し か し、最後の最後で。
「いつかくるとは思ってたけどやはりきたか!しかしここでか!」みたいな感じでやられた。しかもその微妙なフォント!
いやはや芸が細かい。

・・・主人公の高校生の親父が死んだ交通事故がこの作品のキーだが、あとがきをみて驚いたが著者自身がこの小説をほぼ書き終えた時期に、自分が表現した交通事故に酷似した交通事故に遭ったようだ、あたかも予見していたように。小説どおりにもし死んでたら完全にミステリーになっただろうな。ミステリー作家が自分の死を知っていたかのような。

この小説のなかで、漁師は寝ているときにも海の鼓動を感じていて心臓が波打っているってな雰囲気の表現がある。まさにこの著者だ。まさしくそれはだれにでもあることなのかもしれないな。
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2005年12月14日

アルジャーノンに花束を



 ダニエル・キイス 著

名著って言われてる本はやっぱり読んでみて後悔することはないらしい。とても悲しい物語。とはいってもハッピーエンド?バッドエンド?読んだ人それぞれだろうなぁ。

背表紙の引用
32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞い込んだ。大学の偉い先生が頭を良くしてくれるというのだ。この申し出に飛びついた彼は白ネズミのアルジャーノンを競争相手に連日検査を受けること。やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…… 超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、全世界が涙した現代の聖書。


ずっと主人公が一人称で「経過報告」という日記の流れで進んでいく。文章自体の変化が生々しい。それこそ幼児の知能→超天才への変化が文章から見てとれる。もしも自分が急に誰もが認める天才になったらどんな風に世界を見るようになるんだろう?って考えたとき主人公チャーリィの感情は共感できるところがある。
創造されたストーリーのなかにすごい現実味がある(気がする)キャラクターの感情、心理変化が描かれてて著者がすげぇ。

おれはチャーリィが少しうらやましい。今後の人生が浴槽自体があまり深くない「逆バスタブ曲線」のような曲線を描くならば、少しの期間のうちに富士山の高さまで一気に隆起するほうがいい。
ただ知能が感情の一切を支配するということはいつかあまりに空しい結果を生むだろう。

ちょうどドラマ「1リットルの涙」を見ていて、それとテーマが少し被っている。アルジャーノンも偶然読み始めたし、1リットルの涙も偶然見始めたのに不思議なものだ。
1リットルの涙で毎週泣きそうになる人は読んでみるべき。……わかってるんよ、でも泣きそうになるんよ。。。

あとユースケサンタマリア主演の「アルジャーノンに花束を」はいろんな人の感想を読ませてもらった感じからして、所詮はドラマ仕立てのハッピーエンドに脚色して作り変えたありえない脚本っぽいので見ない。

映画は機会があれば。


それにしてもアマゾンで買ったら「ユーズドで1円」って。生協で買って大失敗。
有名で古い著作はアマゾンで買うべきだな。


次はカート・ヴォネガット著の「猫のゆりかご」の予定。
posted by Khaki at 21:36| 京都 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月30日

猫のゆりかご

気づけば明後日はもう2006年。

地元に帰ってきてる。冷えるけど京都みたいに凍えるほどじゃない。

自分と同様に岡山に帰ってきた友人やもともと住んでいる友人に会う。将来の話や互いの知り合いの話、音楽の話、とんでもない話。カラオケ行ったりダーツ行ったり。チョチョイと酒も加わりでやけにフラフラ。

今日のNHKニュースで初めて入社する会社の名前をテレビのスピーカーから聞いた。若干安心、ささやかに。その反面「あと3ヶ月か…」って思う。


それはさておき、カート・ヴォネガット・ジュニアの「猫のゆりかご」を読み終えた。ボコノン教だのアイスナインだのでまさに「ジス イズ SF!!!」だ。おもしろい。読み返したくなるフレーズ(多くはボコノン教の教典にあたるものの中に)が多くある。架空の宗教だからこそいい。
実際に存在する宗教の教典含めすべての「断言」ってのは普通の言葉と比べてなんて高圧的で扇動的なんだろう。その威勢とは裏腹に、この世界で断言できることなんて一体どれくらいあるんだろう? 俗な話、永遠の愛を誓ってさえも成田離婚なんてことがあるのに。。いやほんとしょーもない俗な話。
他人の断言は聞き手の真理に反して(聞き手にとって)不適切な可能性があるから聞き手をなにやら惹きつけるんだと思う。人それぞれが胸に抱く真理には大きな隔たりがあるし全宇宙の真理がもしあるならば、それとはさらにとてつもなく大きな隔たりがあるだろう。
・・・・まったくそんなことをここに書いてどうする。。ほんとSFは狂人の狂気の沙汰だ。
こちら側に伝染する。




まあそれもさておき、今日の昼食をどこで、いやどっちで食べるかを迷ってる。おれの中で世界最高の洋食屋「ルーアン」か、岡山に最近できたというスープカレー屋「hinotama」か。

2005ラス前のランチ、なんていってもランチはランチ。明日も食べるし明後日も食べるさね。


・・・疲れててしかも眠くてさらに風呂あがりなんてのは、ほんと思いついたことをそのまま書かせるねぇ。いつにも増して乱文をお送りしました。寝る寸前の状態もある種狂気の沙汰だね。
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2006年01月05日

ラッシュライフ




著 伊坂幸太郎


背表紙から引用
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。



一気。

マグノリアや21グラムみたいな複数のストーリーが絡むタイプのストーリーが好きな人は読んで面白くないことはないはず! あとメメントやユージュアルサスペクツなどの「あの」感じが気持ちいいって人も。昔見て、なんとなく覚えてた情景が忘れたころに不意にヒュッと舞い戻ってくるあの感じ。あの感じは映画よりも小説のほうが強く感じる気がする。
エッシャーの画の気づかなかった見方もおもしろい。エッシャー懐かしい。騙し絵の人。

出てくる犬がいいんだ。和むんだ。
魔女の宅急便でキキが初めて配達した家で飼われてるあの犬のかんじ。


この小説、いろんな線があちこちに張ってあるけど、さらにこの著者のそれぞれの小説レベルでもキャラクターが行き来したりしているらしい。小説すべてが一つの世界のような。

そんなことがわかるとなると他もそりゃ読んでみたいよ。
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2006年02月20日

オーデュボンの祈り


オーデュボンの祈り
book


伊坂 幸太郎 著

背表紙の引用
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?


 なんだろう、かなり訳わからない舞台に最初は戸惑ったのに途中からはその舞台自体への「?」は薄れてストーリーの主題であり問いかけでもある「?」が強く伝わってくるようになってくる。 すべての真実なんて人間にとって必要なものではない。まさに知らぬが花だ。
 
 なにもかもわからない状態からスゥッと一つの事実に集約されていく様が面白い。カカシの予言が村人を動かして最終的な形になって現れたとき、なぜ筆者が予言者のキャスティングにカカシを選んだのかがわかる。

 文の中に置いてある石をなんの意味もなく拾っていって気づいたら目の前に湖が。それらすべての石が水切り遊びに最適な石でラッキー!みたいな感じ。言葉と時系列のパズル。解けていくのが面白い。それがこの著者の作品の特徴だろう。

 舞台の萩島ってのは仙台の牡鹿半島からずっと南にある実際にある小さな島らしい。「ラッシュライフ」の舞台も仙台で、未来を予言するカカシの話も少し出てくる。伊坂作品は作品同士のちょいとした繋がりがある。次は直木賞ノミネートされてた「死神の精度」にしようか。
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2006年02月28日

精神注入

今日朝起きてふと思った。最近攻めてねぇなぁ、と。
いまいち2月はじめに学校が終わってから燻ぶっちゃって全然だめ。

そこで藤原正彦の「国家の品格」を読んで精神を注入しようと思った。
予想通りのアツイ内容で一気。めちゃくちゃ読みやすい。
本屋にもう一度行って新渡戸稲造の「武士道」を買った。
更なる精神の注入を。

やっぱ人間、生活のスタイルや趣味、環境がすべて性格やスタンスに投影される。
表面的な意味じゃなくて潜在的な意味で。間違いない。

攻撃的な音楽をずーっと聴いてたら気分は攻撃的になるだろうし、穏やかな音楽を聴いてたら気分は穏やかになるだろう。それが積もり積もって性格に結びつく。
部屋が汚かったらガサツな気分になるだろう。
外人と一緒にいれば自然と英語をしゃべろうとがんばるだろう。
おしゃれな友人がいたらおしゃれに気を遣いだすだろう。
興味を持って接していないといい考えも浮かばないだろう。
人にやさしくされたら、人にやさしくなれるだろう。

そういう意味で何事にも攻めの体制を崩さないために、意識的に崩れない環境を作らんと。
置いとくだけだけど真剣を一振り買う人の気持ちがよくわかる。おれも欲しい。
そのへん流れに乗る形じゃなくて意識的にやっていかんと理想には到達できん。


最近デトックスとやらが流行しつつある。絶食や節制などにより体の毒素や不純物を排出する。広義的にさらには大豆の成分かなんかを体の部分に注射したら勝手に脂肪が燃えてなくなるってのもあるようだ。それはどうかと思うけどこういうのも意識的にやっていかないと体の毒は抜けない。多くの人が毒を抜いて理想的なバランスを求めがちだってことだ。
女のダイエット関連のなんやかんやの方法や商品はどれもこれも舌打ちしたくなるような見るに耐えないもんばっかりだけどこれに関しては男女関わらずやるべきだと思う。

「精神的ななあなあ」も毒と共に一掃せんと。
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2006年03月13日

チーム・バチスタの栄光


book

海堂 尊 (著)

内容(「BOOK」データベースより)
東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか…。栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。


今現在勤務医をしている著者の作品。どこまでが本当なのかはわからないけど、制度的なことはすべてが本当でも不思議だとは思えない。「不定愁訴外来」ねぇ。
途中から出てくる名探偵、白鳥がいい。頭の回転が早すぎて他人がアタフタするところとか、他人にとって煙たい存在でもやることはやっていく様から、すごいリアルに皆の心境が読みとれて面白い。特に教授に向かっての尋問はまさに誰もがアンタッチャブルなパンドラの箱を軽々と開けるようだった。
本の中だから面白いけど実際いて身近な人だったらすげー嫌だろうなぁ。誰もが持ってるささやかな自尊心を粉々にしていくだろう。

元々ひねくれた主人公がまたいい味だしてるしラストも気持ちいい。
どうも白鳥を主人公にしてシリーズ化して欲しいって人が多いらしいけどそれだと多分面白くない。続編は見てみたいけど主人公は白鳥以外じゃないと。
ワトソン君が語るからこそホームズが面白いんだから。

「このミス」受賞作品は読んで損なし。
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2006年04月02日

陽気なギャングが地球を回す


book

著 伊坂幸太郎

背表紙より引用
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!


伊坂作品読むのは3作目。セコく文庫になった3冊を読んだ。
東京へ向かう新幹線の中で読み終えてたけど書くのを忘れてた。

ラッシュライフと比べて一人一人のキャラの個性がかなり強く出ている気がする。
青春小説のようなすがすがしさと伊坂作品独特の騙し絵のような多面性にあふれた文体とストーリーが合わさってて気持ちいい内容だった。「サスペンス」って言葉をこの小説に使うのは間違ってる。背表紙で植えつけられる先入観はでかい。人が死ねばサスペンスか?犯人がわからなかったらサスペンスか?
いやいやいやいや。いい言葉は他にないものかな。

銀行強盗を成功させるための方法の高説はやけにリアリティがあってまじでこんな感じでやれるんじゃねぇか??って思うほどだった。やりゃしないが。 ナンシー関風に。

大沢たかお、鈴木京香、松田翔太、佐藤浩一で5月にロードショー公開されるらしい。 キャラ含めていいキャスティングだからこれは楽しみ☆
日本映画で銀行強盗モノでいえばやっぱり鮫肌男と桃尻女を思い出す。あれを超えれるかな?

http://www.yo-gang.com/
posted by Khaki at 16:16| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

ガダラの豚



book


著 中島らも

内容(「BOOK」データベースより)
アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作。


1ヶ月前くらいに読んだのにそういやなんも書いてないことを思い出したから書く。全三巻。

らも氏の著書はこれが初めてだったけど、いやはや「最後の晩餐」でシニカルなツッコミをしてたおっさんがこうゆう本を書いていたとは。。
アフリカに行きたくなる。フラミンゴの湖を見たくなる。そして呪術については触れないほうが身のためかな、って気持ちにさせる。呪われるのいやじゃもん。 一筋縄ではいかない内容。 結構過激で結構グロい。そのわりにサラッとしててやはりらも氏独特のシニカルな笑いが全編含められている。

中盤の雰囲気が絶妙に気持ちいい。どんでん返しというか超能力者の不思議な過去な感じ。

らも氏に興味があるならかなり薦める。
posted by Khaki at 17:59| 京都 | Comment(0) | TrackBack(1) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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