2006年02月20日

オーデュボンの祈り


オーデュボンの祈り
book


伊坂 幸太郎 著

背表紙の引用
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?


 なんだろう、かなり訳わからない舞台に最初は戸惑ったのに途中からはその舞台自体への「?」は薄れてストーリーの主題であり問いかけでもある「?」が強く伝わってくるようになってくる。 すべての真実なんて人間にとって必要なものではない。まさに知らぬが花だ。
 
 なにもかもわからない状態からスゥッと一つの事実に集約されていく様が面白い。カカシの予言が村人を動かして最終的な形になって現れたとき、なぜ筆者が予言者のキャスティングにカカシを選んだのかがわかる。

 文の中に置いてある石をなんの意味もなく拾っていって気づいたら目の前に湖が。それらすべての石が水切り遊びに最適な石でラッキー!みたいな感じ。言葉と時系列のパズル。解けていくのが面白い。それがこの著者の作品の特徴だろう。

 舞台の萩島ってのは仙台の牡鹿半島からずっと南にある実際にある小さな島らしい。「ラッシュライフ」の舞台も仙台で、未来を予言するカカシの話も少し出てくる。伊坂作品は作品同士のちょいとした繋がりがある。次は直木賞ノミネートされてた「死神の精度」にしようか。
posted by Khaki at 22:25| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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